【製造現場の基礎知識 25】表面処理:食品機械に使用されている表面処理

※掲載内容は2004年3月現在の情報です。現在とは異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

表面処理・・・食品機械に使用されている表面処理

「表面処理は」部品・機器・機械パーツ等に使用されている金属やプラスチック等の表面を加工し、その内部の素材とは異なった性質をその表面に与えるために行われます。汚れ・腐食・磨耗を防ぐ、また表面硬化といった多様な用途に適合した方法が用いられています。
今回は食品機械に多く用いられている表面加工について概要を解説します。

アルミ材の表面処理

食品機械は「分解洗浄」ができる設計になっていることが多く、その軽量化が重要視されています。材質的にも金属の中では軽量のアルミ材や様々な特性を持つ樹脂材が多く使用されています。この軽量化材料として多く適用されるアルミ材の弱点(傷つきやすい・腐食する・汚れ他)を補う方法として、硬質アルマイト皮膜加工やタフラム加工、また食品を取り扱うのに適した表面素材としてテフロンが多用されています。

なぜ加工が必要か?アルミニウムの性質

アルミニウムは軽く柔らかい金属です。空気中で表面に自然酸化皮膜をつくり、表面を保護することで内部の酸化を抑える働きをします。しかし自然にできた皮膜では傷がつきやすく、またその環境によって腐食が発生したりするため、自然酸化皮膜を人工的に厚く作り、硬度や耐食性などを向上させる必要があるのです。

アルミ材の代表的な表面処理[硬質アルマイト皮膜・テフロン皮膜・タフラム皮膜]

加工 特徴 取扱いの注意 用途(例)
硬質アルマイト皮膜 酸を入れた電解槽で発生した酸素との反応でアルミ表面に酸化アルミニウムができる。これには多くの孔があるので、さらに高温・高圧(約400℃)で蒸し、孔を埋める(封孔処理)。
  • 硬い表面が得られる
  • 耐摩耗性に優れる
  • 耐食性に優れる
  • 電気絶縁性に優れる
  • 汚れ防止
表面に硬質皮膜処理をしても、内部はアルミ素材で軟らかいため、外部からの衝撃に弱い 一般的なアルミ材の表面処理には多く使用されている。表面の硬度等の特徴のほか、美観も得られる。
テフロン皮膜 基材にテフロンエナメル(フッ素樹脂溶剤の混合)を吹き付け、高温(約400℃)で焼成する。
  • 非粘着性に優れる
  • 表面の摩擦係数が非常に低い
  • 耐熱性がある(連続的に使用する場合200℃程度、短時間なら260~300℃)
  • 撥水性に優れる
  • 耐食性(酸、アルカリに強い)に優れる
  • ピンホールによる剥離(傷、下地処理の状態、吹付けの薄さ、錆等)
  • 衝撃的圧力が繰返し加えない
  • 高温(250℃以上)での連続使用を避ける
  • 型天板
  • 成形型、プレス型
  • 食品が通るために滑りが必要な部分
  • スクリュー
  • シュート部品、ガイド部品
タフラム皮膜 アルミ材表面に硬質アルマイト皮膜を作った後、テフロンを合浸させ、硬質アルマイト皮膜とテフロンの複合体を作る。
  • アルミ素材と皮膜の密着力が強く剥離しにくい
  • 表面の非粘着性や摩擦係数はテフロンと同様の特徴を持つ
  • 耐食性に優れる
  • 高温・低温に強い
  • 内部はアルミ素材で軟らかいため、外部からの衝撃に弱い
  • 高温水(90℃以上)の高圧スプレー等、圧力により剥離が起こる
  • バルブ本体
  • ピストンケース
  • すり込み板
  • ローターケース
  • 充填機ローラー類

※「TUFRAM(タフラム)」はアルバックテクノ株式会社様の登録商標です。

【製造現場の「必須!基礎知識」】 バックナンバー