【製造現場の基礎知識 24】衛生:強酸性電解水

※掲載内容は2004年2月現在の情報です。現在とは異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

衛生・・・強酸性電解水

殺菌の手段として、強酸性電解水が食品の業界でも使用されてきています。これはどういったものなのでしょうか?強酸性電解水についてその概要を特集します。

弱酸性電解水って何だろう?

食塩水を下図のように陽極と陰極の間に隔膜を置いた装置で電気分解すると、食塩水は何種類かのイオンに分解され、陽極側には強酸性電解水が、陰極側には強アルカリ性電解水が生成されます。この陽極側にできた強酸性電解水が殺菌や消毒に利用されます。

強酸性電解水は生成直後最も活性が強く、その後比較的早く活性が消失していきます(ポリ容器・常温2~3日で顕著に低下)。
また強アルカリ性電解水は、油脂を乳化したり、たんぱく質を溶解するなどの洗浄作用に優れています。

殺菌の原理は何だろう?

強酸性電解水には塩素ガスが溶解しており、塩素ガスから生成される活性力のある次亜塩素酸が存在します。次亜塩素酸はpHが低く(微生物が存在できないpH2.7)、強い酸化力があります。この次亜塩素酸の低いpHと酸化力、また内在する塩素などの酸化力、こういった次亜塩素酸を主役とした殺菌作用によって、微生物の生存にとって必須の細胞構成成分が分解・変性・損傷を受けて死滅すると判断されています。
殺菌力は従来の次亜塩素酸ソーダ(次亜塩素酸ナトリウム)に比べると、20~50分の1くらいの濃度で同等の効果を得られ、また常用消毒薬よりも細胞毒性が低く(手荒れ等しにくい)、さらに自然に分解されて活力を失っていく(中和が不要)という特徴があります。

どんなことに使われているのか?

現在は臨床応用例が最も多く、手指洗浄・器具の洗浄・外傷や火傷の術後感染防止等、消毒や殺菌に利用されています。食品業界ではカット野菜の洗浄や器具・手指の洗浄等に利用されてきています。製菓業界ではまだあまり利用されていないのが実際です。今後強酸性電解水は効果が高く、毒性が低く、自然分解するといった特徴を活かした応用研究が登場すると思われます。

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