【製造現場の基礎知識 23】蒸成:蒸すってどんなこと?

※掲載内容は2004年1月現在の情報です。現在とは異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

衛生・・・オゾン

殺菌の方法のひとつとして用いられている『オゾン』について、どのようなものなのか概要をご紹介します。

オゾンはどんなもの?どんなふうに殺菌をするのか?

オゾンとは

オゾンは天然の物質で、3つの酸素原子(O)からできた分子です(右図参照)。特有の臭気がある非常に不安定な気体で、結合が分離(酸素原子が1つ離れる)すると安定した無害な酸素になりますが、その分解によって強い酸化力(殺菌力)を発揮します。

通常の大気中には、0.005ppmのオゾンが存在しています。日本産業衛生学会(許容濃度等に関する委員会)、中央労働災害防止協会では0.1ppmを労働環境においての抑制濃度としています。作業時間中は安全のため濃度をこれ以下に留めますが、殺菌力を高めるには無人の状態で濃度を高めます。

どのように殺菌しているのか

オゾンは気体(ガス)として、またオゾン水として広範囲の種類の微生物や臭いの元となる物質に対し、その強い酸化力で殺菌・脱臭(脱色の効果もある)等をします。殺菌方法(原理)は、微生物の細胞壁など表層のタンパク質や脂質に対して細胞壁を破壊、さらに微生物の酵素や核酸を不活性化させることによって殺菌します。
オゾンによって殺菌された生成物に毒性はなく、オゾン自体は自然に分解して酸素になるため残留せず、環境へ与える負荷も小さいという特徴があります。また薬品やアルコールと殺菌方法(原理)が異なるので、他の方法で殺菌できなかった微生物を容易に殺菌できる場合もあります。

オゾン使用上の実際

◆どんなことに使用されているのか

  • 室内・庫内、その他の殺菌・脱臭
    例:室内空間(工場内や厨房、店内、客室、病室等)、手洗い、冷蔵庫、貯蔵庫、ゴミ置き場、作業服のクリーン化、防虫効果

  • 例:オゾン水洗浄(食材、調理機器、床、他多目的)、下水・汚水処理、浴用水等

※殺菌や脱臭にオゾンを使用するには、使用目的やその効果、安全性に関して多くの要素が絡みます。

知っておきたいこと・注意事項

オゾン殺菌を安全で効果的に利用するために知っておきたいこと
  • オゾン濃度の違いで効果は変化する(人がいる状態での殺菌には安全な濃度までに留める必要がある)
  • 効果的に殺菌するために適した湿度がある(80%位が殺菌・脱臭反応が良い)
  • 空間の密閉度、環境の汚染度も効果に影響する
  • 室内の設備機械の酸化を早める
  • オゾンは時間と共に酸素に分解し、残留しないが殺菌効果の持続性がない
  • 浸透性がないため、殺菌の対象部分が表面に限られる
注意事項
  • 安全かつ効果的に利用するために、ソフト面・ハード面共に経験に基づく正しいレベルでの設備と利用方法が必要(専門業者等に要相談)
  • 高い濃度のオゾンには毒性がある
    【例】0.1ppm:臭気や鼻・喉に刺激を感じる  50ppm:人間も1時間で生命に危険
  • 設備はオゾンの性質について正しく知識を知った上で利用することが重要

 

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