【製造現場の基礎知識 15】基本計算:オーブン(トンネル式)の場合

※掲載内容は2003年5月現在の情報です。現在とは異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

基本計算・・・オーブン(トンネル式)の場合

新しい設備の導入を検討されるとき、また既にお持ちの設備を改造・改良して生産量や製品自体を変えたい、といった計画があるときには、その設備(機械)の生産能力や工場内で設置できる寸法であるか…といった条件を考慮しながら計画を進めます。
その際速やかに計画を進めるために、生産する製品について(多品種兼用、単品大量生産、新製品か?)、設置場所のスペースや条件の把握なども明確にしておくことが必要になります。ではその機械の生産能力や寸法(機種によっては台数)は、実際どのようにして計算されているのでしょうか?既存機の改良・改造や新規ご導入をご検討される場合の参考として、今回はオーブンの基本計算をご紹介します。

オーブン(トンネル式)の生産能力・寸法はどのように求められているか

トンネル式オーブンの基本計算

1.計算する上で把握しておくこと ●焼きあがりの製品の寸法
●製品の焼き時間
●既存機の炉長、また設置できるスペースはどのくらいか
●生産能力(個/時)はどのくらい必要か
2.バンド・キャタピラの幅(標準) バンド:800㎜/1,000㎜/1,200㎜
キャタピラ:630㎜/914㎜/1,150㎜
3.計算する上での条件 バンドオーブン
熱のかかり具合の関係で、バンドの両端は40㎜ずつ生地を乗せない幅を取ります。
キャタピラオーブン
天板の進行ピッチは、天板の長さ(進行方向に向かって縦)+5㎜が一般的です。固定ボルトの関係でキャタピラの両端は50mmずつ、天板または生地を乗せない幅を取ります。
4.製品列数 バンドまたはキャタピラの幅に対して、焼成後の製品が何列並べられるか検討します。

生産能力より炉長を算出する

生産能力(生産数量)を基にして、機械の寸法(炉長)を求める計算のしかた
バンドオーブン

キャタピラオーブン(天板使用の場合)

炉長より生産能力を算出する

機械の寸法(炉長)を基にして、生産能力(生産数量)を求める計算のしかた
バンドオーブン

キャタピラオーブン(天板使用の場合)

製品の『進行ピッチ(縦ピッチ)』・『横ピッチ』とは?

オーブンの生産能力や炉長を計算する場合に必要な数値として、『進行ピッチ(縦ピッチ)』・『横ピッチ』があります。これは右図のように、焼成後膨張した製品の直径と製品同士の間隔を含めた数値になっています。キャタピラ式の天板進行ピッチも考え方は同様で、進行方向縦の天板の長さと天板同士の間隔を含めた長さをいいます。
またこのピッチは「製品全体に均等に熱をかけられる間隔を取ること」が重要で、製品により当社の経験値から得た数値を用いています(ご相談ください)。

バンドオーブンで焼成する場合のピッチの目安

クッキー系の薄物
焼成後の製品径 +15㎜ 程度が一般的です。
シュークリームやブッセ
焼成後の製品径に対し、進行ピッチ・横ピッチ共に +15~20㎜(製品直径含まず)が一般的です。
ただし、オーブン出口で移し装置がある場合は進行ピッチを+20~25㎜ と広くします。
※上記の数値は当社の経験から能力計算の際に用いている一般的な例です。
※製品の大きさ・高さ・生地質、また成型の方法などによって適当なピッチは違います。試算の際、参考までにご覧ください。

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