【製造現場の基礎知識 11】蒸成:蒸すってどんなこと?

※掲載内容は2003年1月現在の情報です。現在とは異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

遠赤外線・・・遠赤外線の焼成効果について

遠赤外線がどのような場合に効果を発揮するのかご紹介します。

食品に吸収されやすい遠赤外線

食品に遠赤外線を用いて加熱したとき、食品に含まれる食品素材が吸収しやすい波長があった場合、はじめてその遠赤外線の効果が発揮されます(遠赤外線として産業分野で主に利用される波長域は、2.5~25μmの範囲)。
また菓子の主成分となるデンプン・砂糖・油脂・水等の食品素材を構成するカルボニル基・エステル基などの遠赤外線の吸収帯は3~10μmの領域です。照射する遠赤外線の波長がその食品の吸収帯の範囲であると吸収効率として良いのですが、実際には生地の配合・比重・形状・重量等、諸条件の違いによって異なります。
ではどの波長領域であると一番吸収が良いのか。それは実際にテストデータを集め、テスト条件・状況を判断し、それぞれの生地に合った波長を見つけ出すことが必要なのです。

●お菓子の原料の各成分における電磁波吸収率の良い波長帯(参考)

成分 波長帯
3.7~4μm
アルコール 4.1~4.3μm
オリーブ油 12.3~12.6μm
デンプン 4.2~4.4μm
カゼイン(牛乳カゼイン) 4.3~5.2μm
砂糖 5~5.5μm
寒天 7~11μm

上表のような食品に吸収されやすい波長は、照射される遠赤外線の中でも比較的波長の短い領域となっています。
※基本的なデータですが、測定条件が違えば変ってくると思われますので、あくまで参考資料とし、使用条件にあった再データで確認の必要があります

放射加熱の波長による焼成への影響

長い波長領域

波長の長い遠赤外線の特徴
食品の表面で主に作用し、短い波長よりも浸透性は弱い。
表面の水分蒸発が速い、表面着色、表面の受熱速度が速いという特長がある。特に表面をしっかり焼きたい物を焼く等の場合に向く。

焼成例
クッキー、サブレ、ラングドシャ、パイ等(薄物の焼成に向いている)。

短い波長領域

波長の短い遠赤外線の特徴
食品の表面からある程度の内部まで浸透しやすい(食品に吸収されやすい)。
内部まで遠赤外線が到達し、表面からだけでなく内部からも熱を発生させられるため、熱伝導によって全体へ熱を行き渡らせる焼成ができる。
表面より内部の水分蒸発速度が速い(浸透性が良い)。

焼成例
スポンジケーキ、カップ入りケーキ等(層が厚く焼成に比較的時間のかかるものに向いている)。

 

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