【製造現場の基礎知識 9】蒸成:蒸すってどんなこと?

※掲載内容は2002年11月現在の情報です。現在とは異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

蒸成・・・蒸すってどんなこと?

「蒸す」とは蒸気によって製品を加熱する方法です。この加熱方法は水(蒸気)が加熱媒体になることから、他の加熱等とは違った性質を持ち、加熱する食品にあわせ用いられています。

「蒸す」とは、どういうことなのか

1.水を加熱すると沸騰し、蒸気が発生する。蒸気は加熱によって与えられた熱量を持っている。

2.蒸気は製品表面に行き渡り、持っている熱を製品に与える。その熱によって製品は表面から芯に向かって徐々に温度上昇していく。
製品の持つ水分が蒸気や水より少ない場合、水分も製品に移行する。

蒸気は製品や蒸し器の内壁・蓋等に熱を奪われると、蒸気でいるための熱量が足りなくなるため水滴に戻る。

「蒸し加熱」の特長と注意点

特長

型崩れ、味や成分の損失が少ない 直接食品に触れる熱媒体が蒸気なので、材料が直接水に触れる煮物などに比べ味や成分が流れ出る損失も少なく、材料の形も保ちやすい。
重量が増えしっとり仕上がる プリン等のような液状生地以外のものは、蒸気から熱と同時に水分も吸収し、重量が増える。
ムラなく加熱できる 蒸気は蒸し器の中で製品を覆うように隅々まで行き渡り、温度も一定。そのため食品内部の熱伝導が均一に行われるので、ムラなく加熱できる。
焦げない 蒸気の温度は圧力をかけない限り100℃(食品は焦げない温度)以上には上昇しない。大きな食品でも焦げる心配なく、内部まで時間をかけた加熱ができる。
素材の香り・色が保てる 焼き・揚げのように香りが発散されることがない。加熱温度も100℃と低温なので、香りや色の成分の変化が少ない。

注意点

現象 現象はなぜ起こるか・対策
食品の底面の周囲などが水っぽくなる
食品の表面が水滴に覆われる
食品に熱を与えた蒸気は水滴に戻り、食品の表面に少しずつ流れる。これが食品の底面周囲などに溜まってしまうと、それに触れている部分が水っぽくなったり変質したりする。
またこの溜まった水が底面周囲部分のα化の妨げになることもある。
他の加熱に比べ時間が長くかかる 焼成のような熱質(対流・輻射・伝道)や高温ではなく蒸気が熱媒体で、加熱としては100℃と比較的低温なので、食品内部へ温度が伝道されていく速度がゆっくりである。
芳香と一緒に好ましくない匂いも残る 材料の匂いは100℃の加熱温度ではあまり変化せず、発散されることもなくそのまま残る。好ましくない匂いが強いものは、基本的に蒸しものに使わないほうが良い。
材料によっては溶けて流れ出す 融点が低いものが、材料によっては流れ出すこともある。

 

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