【製造現場の基礎知識 7】オーブン周辺環境:見落としていませんか?ダクトからの放熱

※掲載内容は2002年9月現在の情報です。現在とは異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

オーブン周辺環境・・・見落としていませんか?ダクトからの放熱

オーブンを使用する上で熱や蒸気、またガス等を含む排気を屋外に出す通り道となるダクトは、焼成室の快適な作業環境維持や安全確保のための重要な設備です。

「排気」で起きる現象とその対策

オーブン運転時には、自然または強制的に排気される熱風がダクトを通過し、ダクトからの熱により焼成室内の温度が上昇します。室内温度の上昇を低減するために、ダクトには厚さ50mm以上の遮熱材を巻いてください。
例えば、排気ダクトの表面温度が100℃の時に30cm角のダクトが部屋の中を10m水平に通っていて、部屋の初期温度が20℃と仮定すればダクト側面からの輻射熱と自然対流により放射される熱量は、約8,500kcal/hにもなります。これはオーブンのバーナーを2本常時燃焼させて発生させる熱量に相当します。遮熱材を巻くことにより放熱量は約880kcal/hとなり、1/9.5になります。
またダクトの排気量が過剰であったり不足したりすると焼成に影響が出たり、室内温度が上昇したりするので、オーブンの入口・出口には基準を守った天蓋フードを設け、適正な排気を行ってください。

排気ダクト施工の注意点

  1. ダクトの囲いは上部(高い位置)になるほど圧力がかかり、万が一隙間があった場合熱風や有害ガス等が漏れることがあるので、密閉度を良くしてください。
  2. 耐火構造の防火区画(※)を貫通する場合は、防火ダンパー(煙逆流防止ダンパー)を設置してください。
    ※耐火構造の建物は耐火材(鉄扉等)で建物の内部が区画され、例えば一つの部屋で火災が発生しても隣接部屋への延焼を防ぐことができます。この防火区画の壁に穴をあけてダクトを通すと、煙や炎の通り道を作ってしまうことになるため、ダクト内部に防火ダンパーの取付けが必要となります。
  3. 天井内に通すダクトに防火ダンパーを設置する場合には、保守点検が容易に行えるよう天井に45cm角以上の点検・検査口を必ず設けてください。
  4. ダクト材は鉄板またはステンレス製で、0.8mm以上の厚みのものを使用してください。
  5. 排気ダクト末端は外気に開放し、換気扇を取りつけてください。
  6. 換気扇はインバータ制御として、季節や用途により風量を調節できるようにしてください。
  7. 排気ダクトは排気目的以外には使用しないでください。
  8. 排出口末端には鳥等が巣を作らないよう16mmメッシュ程度の格子を取りつけてください。
  9. 室外ダクトは2m以上の立ちあがり部分を有するか、煙逆流防止ダンパーを設置してください。
  10. 建物の隣接地では、防火地域での建築基準法が定められているので、施工の際には必ず確認してください。

※施工内容により条件が異なるので、換気設備については建築基準法・消防法に準じてください。
※安全対策としてオーブンの開口箇所(入口・出口・排気口・覗き窓等)に二酸化炭素による消火装置の設置もあります。

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