【製造現場の基礎知識 2】熱:熱の用途・熱の性質について

※掲載内容は2002年1月現在の情報です。現在とは異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

「熱」・・・熱の用途・熱の性質について

お菓子の生産現場に必ずと言ってよいほど使用されている「熱」。「熱の用途」と「熱の性質」について解説します。

熱の用途

食品を焼く・蒸す・煮る・揚げる等、加熱することで食べ物には種々の化学的・物理的変化や反応が起こります。これを利用し加熱速度や時間・温度分布・水分移動の影響等起きる過程の中、「加熱調理」として食品中の有害な寄生生物や微生物を死滅させ、味を良くしておいしさを引き出しながら揮発性成分の香り(食べ物が焼ける芳香)を発生させ、好ましい色と適度な柔らかさが生まれます。
また熱は食欲をそそる酵素反応を進めます。加熱時には食品の成分間で多数の反応が錯綜し同時進行するため、非常に複雑な様相になり色々な変化へと関与させるのが熱(熱源)です。

熱の性質

熱は発した熱量を全て使用することはできず、高温側から低温側に流れ、必ず熱損失(供給熱量から有益熱量を引いたもの)する性質を持っています。

【例】ガスで湯を沸かす場合、供給熱量全てが水を熱することに使われず、放熱などにより熱損失します

熱損失には・・・

  1. 放射・伝導・対流による損失
  2. 排気による損失
  3. 不完全燃焼による損失
  4. 燃焼時残留物による熱ロス

…などがあります。

熱効率を上げるには・・・

  1. 被熱物にできるだけ多量の熱量を吸収させる(周囲環境の整備・蓄熱・循環・表面処理等)
  2. 熱損失をできる限り少なくする(断熱効果を出す、排熱回収し再使用する等)
  3. 装置の設計条件と実測値を合致させる努力をする(チェックをし、問題の抽出と改善・改良をする等)
  4. 各装置の適性燃焼・適性運転条件を探求する(完全燃焼とデータを基にマニュアル化する)
  5. 排熱回収により、予熱や燃焼ガス温度を高めるなどに利用する(応用可能な範囲を抽出して実施する)
  6. 蓄熱による損失を避け、連続的な維持対策をたてる(補助予熱対策、連続長時間運転等)

※熱量は「カロリー」「ジュール」で表します。基本となる1cal は、1g(1cc)の水の温度を1℃上昇させるのに必要な熱量です。
1kcal あれば1リットルの水の温度を1℃上昇させることができます。
「ジュール」は1ニュートン(1N)の力に逆らって物体を1m動かすエネルギーです。
1cal = 4.186J(ジュール)

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