【お菓子づくりの留意点】第9回 お菓子づくりに使われる主要な原料4「油脂」

※掲載内容は2009年1月26日現在の情報です

第9回 お菓子づくりに使われる主要な原料4「油脂」

油脂は、動物性・植物性、天然油脂・加工油脂、固形・液体とさまざまな種類や物性がある。油脂は味や風味のほかにも、お菓子を特徴づけられる特性がある。つくりたいお菓子に合わせて特性の合うものを選定して配合するとよい。

油脂「お菓子づくりで活用される、固形油脂の特性」

ショートニング性

効果
油脂がグルテンの組織形成を阻害するので、噛んだときにもろくサクサクした食感になる。

【例】クッキー、ラングドシャ
ラードはショートニング性の機能が高い。ラードと性質の似ているショートニングもサクサクした食感を高めるために配合される。

クリーミング性

効果
糖類と攪拌したときに、小さい気泡を抱き込むことができるので、きめ細かくふっくら膨らむ。

【例】バターケーキ、バタークリーム、ラングドシャ
バターケーキ等の仕込みで原料のバターをよく練る工程では、細かい気泡をたくさん抱きこみ、焼いたときによく膨らむ。

展延性

効果
パイ生地の場合、小麦粉の生地と混ぜこまれない状態で、パイの層をつくることができる(温度管理が重要、温度が高いと溶けてしみこんでしまう)。

【例】パイ(折り、練り)
パイには味や風味、油脂の機能ともにバランスの良いバターがよく使われる。

可塑性

効果
可塑性とは力によって、思うように形がつくりやすくなること。力として熱を加えて示される可塑性は、熱可塑性といい、菓子の組織形成に大きく関わっている。

【例】チョコレート、クッキー生地、パイ生地、バタークリーム類
チョコレートの成型。クッキーなどにはさむバタークリーム。菓子ではないが、パン生地など。

安定性

効果
製品が常温で長期間保存できる。

【例】クッキー、ビスケットなど
ショートニングは水分を含まないため酸敗しにくく、長期保存させる製品などに配合されたりする。

成分 性質
バター 脂質 81.0%
水分 16.3%
牛乳の脂肪分からできていて、独特の風味があり、おいしい。
味、機能ともに製菓に使われる油脂として基本となる。
ラード 脂質 100%
水分 0%
豚の皮下脂肪。融点が低いので口どけがよく、冷めても柔らかさがある。
ショートニング性が高い。
カカオバター 脂質 100%
水分 0%
カカオ豆からとった油脂。香りがよい。
可塑性を示す温度帯が狭い(温度変化に対して状態変化が起こりやすい)。
マーガリン 脂質 82.1%
水分 15.0%
※加工によって違いがある
もとはバターの代用品としてつくられた加工品。味、香り、栄養価や融点などの機能も調整してつくられている。
安価で扱いやすいものが多い。加工上の適温の温度帯が広く、口どけがよいなど、使いやすく加工されている。
ショートニング 脂質 100%
水分 0%
もとはラードの代用品としてつくられた油脂。
無味無臭、水分がなく酸敗しにくく、日持ち製品向き。安定性が良い。

お菓子づくりの留意点メニュー

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