【お菓子づくりの留意点】第1回 スポンジ系生地

※掲載内容は2008年3月31日現在の情報です

第1回 スポンジ系生地

卵を泡立てることによってたくさん空気を抱き込ませているスポンジ系生地は、変化しやすく短命であることが大きな特徴。比重などの条件を守って仕込んだ生地は、時間をおかずに絞り(分割)、熱加工することが重要。そのためには、生地の分割・焼成などの後の工程の処理能力を考慮し、仕上がった生地を停滞させないようミキサーの大きさの選定(仕込み量)も考慮する必要がある。

【留意点 1】比重

スポンジ系の生地をいつも均一に仕上げるためには比重をいつも同じ状態に整えることが最も重要。しかし、比重をいつも通りに整えても、仕上がりに変化が出ることがある。

あわ立てるのは、早ければいいというものではない

別立ての仕込みで卵白を泡立てるとき、短時間で一気に泡立てると目が粗く壊れやすい気泡になる。時間をかけて(10分くらい)立てると、きめ細かく、なめらかで壊れにくい気泡ができる。

共立ての場合は35~40℃に加温すると立ちやすくなる(卵黄に含まれる成分の乳化が促進される)。

注意したいのは乳化剤を使用する場合にスピードを上げすぎてしまうと、他の材料がよく混ざり切らないうちに比重は数値に達してしまうことがあるので、多少時間をかけて行うほうが望ましい。

【留意点 2】生地を分割するときは

スポンジ系生地は、圧力がかかると気泡がつぶれて変化しやすいので、口金は細いものを避ける(生地がたれない範囲で径の大きなものがよい)。生地の流速も、早すぎると圧力がかかって生地が傷むので注意する。できあがった生地はできるだけ早くオーブンに入れる作業の流れが理想的。

充填機の生地タンクに生地を入れるとき、偏積に注意!

比重も生地の分割の方法もいつもと同じなのに、焼きあがりの膨らみなど仕上がり具合の違いが、同じ列の中で顕著に現れることがある。

これはタンクへの生地供給を一定方向から行う場合など、投入する位置の反対側のタンクの中に、古い生地が偏って残っている場合が多い。経過時間に差があり、状態が違っている古い生地と新しい生地が同じ列に並んで絞られるため、焼成状態の差が出る。

【ワンポイント】生地が死ぬって、どういうこと?

空気を抱きこむように仕上げ、できあがったばかりのスポンジ系生地の中には、細かなたくさんの気泡が全体にまんべんなく入っている。時間の経過とともに生地の中の小さな気泡同士がくっつきはじめ、それが大きな気泡になると、生地の表面に浮き上がって抜けてしまう。表面にはシュワシュワと泡が浮いて、中のほうは空気が抜けてトロリとした液体のようになってしまう。一般的にスポンジ生地で「生地が死ぬ」とはこういう状態をいい、加熱しても膨らみにくくなってしまう。

【留意点 3】焼きかたと、形の維持

デコ台のように厚みのあるものは、先に下火、後から上火をかけて焼成する。逆にシートスポンジのように薄い製品は、厚みが無く焼成中に表面から気泡が抜けやすいので、先に上火を入れてから下火を入れる。

焼きあがりのボリュームを維持

焼きあがったスポンジは、すぐに型ごとショックを与える。スポンジ内部の気泡に含まれる空気(熱で膨張している)を、ショックを与えることによって一気に冷たい空気に入れ替えることで、膨らんだスポンジが縮むことを防いでいる。

お菓子づくりの留意点メニュー

※ご紹介している内容は、掲載時点のものです。
※生地配合や製法は、条件が異なる場合があり、掲載内容が当てはまらないこともあります。あらかじめご了承ください。