第1回 「蒸す」とは? -効率のよい蒸しのために-

蒸すとは、水蒸気を食品に直接当て、熱を伝える方法のことで、とても効率のよい伝熱法です。別名「直接接触伝熱法」または「凝縮伝熱法」と呼びます。
蒸し饅頭を例にあげ、蒸すとはどのようなことかご紹介します。

蒸しに必要な蒸気とは、水を蒸発させた熱媒体です。蒸気は100℃または、一定温度になるようにスチームボックス内に入れます(図A)。

図A

水蒸気は食品に直接接触して熱を伝えます。熱は食品の中心に向かって浸透します。そして、熱を取られた蒸気は水となり、食品の表面に皮膜状に付着します(図B)。
この水蒸気が食品に熱を伝えると凝縮して水に戻る現象を凝縮伝熱といいます。

図B

必要な熱量の蒸気を一定時間維持させる方法を「蒸す(スチーミング)」と呼びます。

伝熱が行われている間は表面が濡れていますが、水の被膜の厚みは一定以上になる事はなく、余分な水は毛細管現象によって下に落ちていきます(図C)。

図C

Point!

蒸気は食品の中を通り抜けながら加熱するようなイメージをもたれている方がいますが(図D)、実は漂っている蒸気を四方八方から吸収しています(図B)。
蒸気は抜けるから常に供給し続けるのではなく、食品が熱を消費した分だけを追加すれば、効率的な熱伝導が行われます。

図D

水を蒸発させれば、その容積は大きく膨張。100℃の1リットルの水が100℃の蒸気になると、容積1673リットルの気体となります。食品の表面で生じる熱交換により、蒸気の凝縮は1/1673 に体積が縮み、真空状態となるのに等しく、消費した熱を補うために新しい蒸気を激しく吸引します。蒸気の供給を円滑に行えば、食品全体の温度が一定に上昇するまで効率的な熱伝導が行われます。

用語解説

  • 【凝縮】
    熱量を食品に与え、体積が縮んで元の状態に戻ること。

蒸しについての基礎知識メニュー

  • 第1回 蒸すとは? -効率のよい蒸しのために-
  • 第2回 良い蒸し製品をつくるには?
  • 第3回 空気が蒸し製品に与える影響